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2009 年03 月20 日

契約社会アメリカの日本化?〜AIG賞与問題

 アメリカ政府から支援を受けているAIGが幹部に高額ボーナスを支給したことに非難が集まっている。公的支援を受けながら多額のボーナスを支給するのはけしからん。高額報酬を返還しろ、高額報酬を受け取った幹部の氏名を公表しろ、ボーナスに高率の税金をかけろ。日本人としては非常によく分かる反応だ。

 しかし、法的に見ると、幹部のボーナスは雇用契約で金額の算定が決まっている。政府の支援を受けたから支給することになったわけではない。
 公的支援の経過の詳細は調べてないが、おそらく必要資金の積み上げをして公的支援額が決定したものであり、当然、必要資金の明細は会社から政府に伝えられ、政府はそれを承認した上で公的支援額を決定したはずだ。もし幹部のボーナス支給はまかりならんというのであれば、公的支援の条件としてボーナスの支給は認めないということを明示しなければならないはずだ。その条件づけがない以上、会社としては公的支援はボーナス支給の財源とすることを承認してもらったと理解するのは当然だ。

 ところが、後になって国民の納得が得られないという理由で、報酬を返還しろとか、氏名を公表しろとかいうのは極めて「非法的」な話であり、高率の税金を事後的に特定の会社に限定して掛けるのは租税法律主義に反するのではないか。
 法化=契約社会アメリカが、日本化=非法化しているのは興味深い。法も常識=条理に従うべきだということだろう。

投稿者:ゆかわat 12 :16| ビジネス | コメント(0 )

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